◆12月のお話◆
かわり種の森の住人たちにもやってきましたクリスマスシーズン。
「うっかりしてたら12月だよ!クリスマスツリーを飾ろうよ!」
「・・・・外にこれだけいろんなモンが生えてるのに、この狭い部屋にまで木を飾ることもないんだったらぺ。
見てみたまえよ、外のネギや大根やらに雪が積もってそりゃあ綺麗だっぺよ」
「でも、飾りつけがしたいじゃない!そこそこ町でそりゃあ可愛いオーナメントが売ってたのよ。あれ、買おうと思ってるんだもん。」
「お前さま、最近、夕食が粗食すぎるんだったらぺ。ワシは下宿人として、そったらもんよりあたたかな料理の内容の向上を求むっぺ」
「むむぅ・・・・」
次の日、女の子がそこそこ町への配達から帰ってくると
そこには女の子が見たことがない雰囲気のツリー。
かわり種の森の奥にある大きな木の
はじけるように咲いては落ちるかわった花がたくさん飾ってありました。
「わあ!ウカウカさんありがとう!・・・・すっごく綺麗だなあ・・・・(うっとり)
そうだ、おかえしに素敵なプレゼント用意するからね、楽しみにしててね!」
「ワシはこどもじゃないからな、プレゼントはいらないんだったらぺ。おまえ様ももうこどもじゃないからいらないっぺよ」
「えええええ!プレゼントの無いクリスマスなんて!!つまらないじゃない!」
「クリスマスも今日も普通の冬の日だったらぺ。おんなじように過ごすだけだっぺ」
「えええええ?じゃあ、クリスマスの食事は?ケーキは?」
「おまえさまにはそんな甲斐性ないんだったらぺ」
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女の子はやっぱり女の子なので、やっぱりそれじゃあちょっととってもものすごく納得がいかなかったのね。
そしたらちょうど、そこそこ町のマダムから、クリスマスパーティーの招待状が届いたんですよ!
「ウカウカさんもご一緒に」って書いてあったんだけど、
ウカウカさんは行かなかったのね。
マダムの手作りのケーキやお菓子やあったかい料理に綺麗なかざりつけ。
みんなで歌って笑って。女の子は楽しいクリスマスの時間を味わえたんですって。良かったねえ。
女の子が帰るとウカウカさんはもう眠ってたんです。
ウカウカさんを起こさないように、用意していたプレゼントをそっと置いた時
(やっぱりプレゼントがなきゃ!という熱い思い・・・)
女の子はふと思いました。
(去年のクリスマスにはウカウカさんはいなかったんだよなあ。いるのが普通になっちゃってたけど・・・)
もし、今、ウカウカさんがいなかったら・・・
女の子はウカウカさんのふわふわな毛皮をなでたいなあと思ったけど、
絶対に怒られるからやめました。
(プレゼント無くてもいいや。クリスマスおめでとう!いてくれてありがとう。)
眠りについた女の子。
明日の朝はまたびっくり嬉しいことがあるからね。