しょんぼり気分の女の子
やっぱりここに来ちゃったね。
今日は・・・いじわるなトラもいないみたい(・・・ずいぶんほっとしているきもち)

お客様はこの前もいたおばあさんだけ。
女の子と目が合うと、少し、ほほえんでくれた。
「おー。おまえ様。今日はずいぶん遅かったっぺ。
今日のブレンドはまた格別だっからよぅ、じっくり楽しむんだったらぺ。」
「ありがとう。いただきます。」
(・・・女の子、しょんぼりしている時は、ちょっと丁寧になるんだね)
「ん?それ何なんだったらぺ?」
目ざといウカウカさん、ジャムの瓶に気がついた。
「これ、かぼちゃとトマトのジャム。今日作ったの。」
「綺麗な色に出来てるっぺよ。
おまえ様は、ほんとにうまいなあ・・・・綺麗に作るのだけは」
(ムム・・・・)
「これ、美味しいんだよ!パン屋さんだって美味しいって言ってくれたんだから!
2個も買ってくれたし!クロワッサンだってくれたんだから!」
(・・・・女の子、さっきまでしょんぼりしてたこと・・・・自慢?しだしたね・・・・いいと思うよ、ほれがんばれ)
「(にやり)じゃあ味見でもしてみようかね」
ウカウカさん。ひとくち食べてびっくり仰天
「ぬおお・・・・・・・・・この芳醇な味わい・・・・・・
やさしく甘くそして素材の旨みが充分に生かされている・・・・むむむ・・・・・
奇跡が起こったんだったらぺ!
こりゃあ美味だ!ワシが太鼓判おしちゃるっぺよ!!」
(これまたずいぶん大げさな・・・・・)
「これなら喫茶ウカウカでも使いたいもんだったらぺ。
しっかしのぅ、モーニングはやってないからトーストは置いてないからなあ。
ふーむ、どうしたものか。」
その時
「マスター、ごちそうさまでした。
今日のブレンドはブルマンがいいバランスで入っていたわね。
華やいだ気持ちになりました。いい時間をありがとう。」
おばあさんが席をたった。
「マダム、いつも美しい言葉をありがとうございます。」
ウカウカさんうやうやしくお辞儀。
(ん?なんか空気が違う・・・・)


いろんなことのすべてをはっきりちゃんとは分からなかったんだけど
それに似合うスコーンもあると、とても嬉しいのだけど。」
「(ハッ・・・)リクエストありがとうございます。
最高のジャムを添えたスコーンを、ご用意させていただきます。」
ウカウカさん、ふかぶかとお辞儀をしてマダム(おばあさん)を見送った。
***
「さあ、今日は店じまいだったらぺ。おまえ様、一緒に帰るっぺよ。」
「そうそう・・・マスター、次回はダージリン紅茶をいただきたいわ。